萌え系飲食店が大流行したおかげで、もはや一般向け観光地と化した秋葉原。一度はメイド喫茶を代表とする萌え系飲食店に行ってみたいと、普段は秋葉原と縁もゆかりもない普通の人たちが、今じゃ毎日わんさかやってくる。慣れたような顔をして秋葉原を歩いていると、「すいません。メイド喫茶ってどこにあるんですか?」などと道を聞かれることもしばしばだ。それは電器店やパソコン店でも同じらしく、店員のぼやきを聞くことも多い。
そうした秋葉原シロウト達の道案内依頼はコンビニでも頻繁にあるらしく、秋葉原にあるコンビニのいくつかは積極的に道案内の対策を行っている。
中央通りにあるampm外神田4丁目店では、入り口に近いアイス用の冷凍庫の上に「メイド系ショップのチラシあります。どうぞごりようください。」と記した紙を貼り、冷凍庫の上に7店舗ほどの萌え系飲食店やリフレクソロジー店のチラシ、割引券などを置いている。
第三者がコンビニで販促目的の配布物を置かせてもらおうとすれば、そりゃ大変な交渉が普通はいるもんだが、これらについてはどうもコンビニ側が自主的にやっているらしい。自分の売り上げにもならない販促物をコンビニが置くなんて本来はあり得ない話だが、先に書いたように、そうでもしなけりゃ、店員に質問が飛んできて本業の効率が落ちてしまうのだろう。
もう一つの例は、昭和通り側にあるデイリ-ヤマザキ秋葉原駅前店にある雑誌棚で、ここには萌え系飲食店を中心に紹介しているムックの「萌えるるぶ」が2種類、各10冊ほど常備されている。雑誌棚のかなり目立つ中央部分に2段ぶち抜きで常備というのだから、これも普通はあり得ない話だ。コンビニは売り上げデータを見て頻繁に商品を入れ替えるし、特に長いこと一等地に同一書籍を置くなんてことはまずない。よほど売れているのか、あるいは“質問逃れ”の対策として仕方なくやっているのか…。
そのうち、コンビニ自身が萌え系に走り、メイド服の店員が接客する日も近い気がしているのは私だけなのだろうか。マイナーなコンビニがメジャーなコンビニを出し抜いてやれば、ヒット確実じゃないだろうか。それがうまくいけばコンビニ版アンナミラーズとして全国展開…なんちって。
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