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秋葉原で40代前後の紳士淑女(?)が集まって成功したイベントというのは、実はこれが初めてかもしれない。11日(日)、秋葉原UDX内にあるイベントスペースのAKIBA_SQUAREでは、昨年末の紅白歌合戦に出場して以来「千の風になって」のCDが爆発的売れ行きを記録しているテノール歌手・秋川雅史氏のミニコンサートが実施され、これまでになかった“非アキバ系”の人たちが集まった。これは秋葉原UDXのオープン1周年記念イベントの一環として行われたもの。 会場は40代前後の男女や家族連れが多かったが、甘いマスクから「秋様」「テノールの貴公子」とも呼ばれるだけあって、特に中年女性のファンも多かった。最前列に並んだ人はこのイベントのために朝5時から並んだそうで、前日の地方コンサートにも足を運んでいたという、見事なまでの“追っかけファン”。コンサート終了後にはステージ上の秋川氏に差し入れや花束まで差し出すという熱の上げようだった。 「慕情」や「オーソーレミーオ」といった名曲で始まり、大ヒット曲となった「千の風になって」がフィナーレとして歌われ、最後は大きな拍手につつまれた。CDの即売会や握手会といったところは、アイドルイベントと大して変わりない面もあるが、全体にきわめて静かに上品にイベントが進み、“大人のイベント”として成功していたのが印象的。 しかし、これは秋葉原UDXがずっと仕掛けている新しい秋葉原を演出するためのバイアスのかかったプロモーションイベントでもあり、テクノロジー色もオタク色もまったくない(正確にいえばホンダのASIMOが随所に出演していた点だけはアキバ的)、今のところ現実のアキバらしくない雰囲気が濃厚なのは確か。昨年はイルミネーションイベントやオペラコンサートをやったり、恵比寿かどこかと間違ってしまったかのような方向の演出が続いているが、長くやればそのイメージが定着して街も変わるのか、それともいつもながら自然発生的な文化が街全体を覆って大勢を占めるのか。かなり不利ではあるが、実は挑戦的な“大人のイベント”だったのかも? 秋葉原UDX「Happy 1st Anniversary」 (f) PR
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